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「太平洋の墓標を訪ねて」
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 遅ればせながらリクエストにお答えし小生が撮った写真をアップします。

 私はあまり魚の写真は撮らず船や飛行機の写真が殆どでありますので、皆さんのように綺麗な写真がありませんのでそこはあしからず。 
 ってゆーか、写真が下手だから魚のように動くものは苦手なだけだったりして・・・。


 これはミクロネシア連邦のチューク環礁、いわゆるトラック島、で撮ったものです。 他のウェブサイトに既に紹介されているトラック島の沈船の写真は多いですけれどもこの写真は珍しい部類のものです。

 船の名前は「山鬼山丸(さんきさんまる)」といい、全長112メートルの貨物船です。 この船もご多分に漏れず昭和19年2月17日・18日のトラック大空襲でアメリカの機動部隊の艦載機による攻撃で沈みました。 旧帝国陸軍に徴用された運送船で、資料によると横須賀から到着したばかりのようで、爆雷や砲弾・銃弾やトラックや飛行機のエンジンなどを積んだままで爆撃を受け大爆発をおこしました。 その結果この船のブリッジ部分から後ろがすべてめちゃくちゃに破壊されています。 
 しかし前半分は奇跡的にその形をとどめておりますので、その三つの船艙内には前出のものを含めいろいろなものが残っており水深もせいぜい27~8メートルと言うこともありトラックを訪れるダイバーにとり結構「人気」のある船です。
 圧巻はその一番艙にある銃弾の山です。 その昔はちゃんと木箱に綺麗に収まっていたそうです。 しかし時とともにその木箱が腐ってその中身が崩れてしまい、まるでそこら中にばらまかれたようになっています。 それでも人に言わせると昔はあの「三倍の量」があったらしいです。 しかし欧米人ダイバーがお土産にたくさん持って帰ってしまったため現在の量に減ってしまったとのこと。 それでもすごい量ですが・・・。 
 
 この「山鬼山丸」は爆発により後ろ半分がめちゃくちゃになっていますし、船尾部分の30メートルぐらいはその跡形もありません。  しかし奇跡的にスクリューと舵の部分が助かりました。 それがこの写真ですが、空爆の際のこの船の最後の大爆発の時にその衝撃で出来たとされる海底のクレーターの真ん中にこのペラは鎮座しています。 船の本体からは約100メートルほど離れておりこの場所は深さが45メートルあります。 そのため船の前半分を楽しむダイバー(殆ど欧米人)はたくさんいても、こちらの方までわざわざ訪れるダイバーはほとんどいませんし、ガイドにも嫌がられます。

 実際に行ってみると45メートルの海底なのにほんとにクレーターがありました。 クレーターの周りには珊瑚などがありましたが、クレーター内は不思議な事にただひたすら砂地でした。
戦後だいぶ経つというのに、全くの驚異ですね・・・。
 写真は露出がちょっとオーバーですがこれはシャッタースピードが長すぎたためで、確か15秒だったと思います、ほんとは日暮れ時なので感覚的にはもっと暗かったです。

 こういうところに来ると歴史を静かに感じることが出来ます。

                       ゆーちゃん
by kenyu-uee | 2005-10-12 19:10 | 水中フォト【青海島】